2009-07-11

天路歴程(14)追憶

淡路島にて在りし日の従妹、邦子と娘、奈津子

2005年10月16日。

幼い頃から仲良しの従妹が、骨ガンで帰らぬ人になりました。

65歳でした。

思いがけない死でした。

神戸に住んでいました。

一男、一女をもうけ、幸せな日々を送っているとばかり考えていましたが、その時、
ガンが静かに体をむしばんでいたのです。

訃報を受けて、神戸に駆け付けました。

幼い頃から優しかった彼女は変わらぬ、そのままの姿で白い柩の中に横たわっていました。

穏やかな顔でした。

一度患い治癒したはずのガンが、かなり歳月が経ってから、骨に転移したという話しを聞きました。

日本人の中に、ガンが増えています。

思えば昔の、お米、野菜など中心の日本人の体に馴染んだ食生活が戦後、急速に変わりましたね。

欧米人の身体の構造とは異なる、食文化の在り方が今やっと見直されて来ました。

私はガンが奪った愛する従妹の死には、誤った食生活、農薬漬けの食材、環境破壊、様々な環境ストレス、環境破壊を作り出す悪循環を断ち切ることの無視できない因果関係を感じ取りました。

ひと一人の死に隠された原因は誠実に解明されてこそ、死者も遺族も浮かばれます。

強く訴えます。

悪質な人間の意図の犠牲は真っ平ゴメンです。

このままでは、地球からやがて絶滅するでしょう生き物、絶滅生物の一番目に人類を挙げるべき事態です。

利権にかんじからめの政治家たち、その指導者たち、産業中心の在り方は、やがてわたしたち、人類の滅亡を意味し、墓標が地球の目印になりかねません。

正しい人も、そうでない人間も同じ地球船に乗り合わせた以上、運命共同体です。

愛する愛娘のまだ生きられたはずの人生を奪われた年老いた母の悲嘆にくれる日々に、その死を理解納得していない叔母の心が悲しく切ないのです。

今、94歳になり家を離れて静かに天寿を全うしようとしている叔母に、私の出来る事は、天国で再会できる希望を直に伝えることです。

深いことは年老いた叔母には理解出来なくても、今日本人が危険に曝されている誤った生活を改めて検証し直す時期が到来したと従妹も訴えます。

最後に!
昨日、退院後の私を気遣い神戸からわざわざ見舞いに来てくれた従妹の娘、奈津子から、死因を初めて知らされました。

ガンが転移した事がわかった後、他の病院に転院することが辛くなり本人の意志で、そのまま闘病生活を続けた事が分かりました。

多分、覚悟を決めていたのかも知れません。

それとは知らぬ、年老いた叔母(当時90歳)の深い嘆きの姿を見ることは心底辛いでした。

生死は誰にでも一度は訪れます。

生き物の運命ですから受け容れざるを得ません。

しかし、昨日中井の玄関に立っていたのは、従妹とみまがうばかりの娘、奈津子は、紛れもなく従妹そのものの姿でした。

人の命は確かに受け継がれしっかり生き延びていくのですね!

今朝、懐かしい従妹の生前の声を聞きました。

「あんたは、あげん勉強嫌いの筈が?なして、建築家や牧師さんになれたとね?不思議でたまらんばい?」

答えました。

「神様から尻をひっぱたかれたけん、怠けんと真剣に嫌な勉強したとよ!」

「ふうーん、そうね!」

霊魂を研ぎ澄ますと、あの世、天国は身近にあります。

「子が親に先立つこつ、こげな不幸はなかばい!」と悲嘆にくれる叔母の姿を見兼ねて、慰めの言葉も見当たらず余計な言葉が口からすべり出ました。

「叔母さん長生きして辛かっ目にあったね。天国ではもう別れはなかとよ!」

従妹とそっくりの娘、奈津子と

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