赤血球が 3380
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中・高悪性度の患者における最新エビデンス
本題の「中・高悪性度のリンパ腫」に話を進めましょう。
進行期のリンパ腫に対しては、1970年代にCHOP療法が確立しました。
これは4種類の薬剤を組み合わせた処方であり、一定の効果が認められています。
その後、様々な処方が工夫されたにも関わらず、残念ながら目覚しい成果は得られませんでした。
そこに登場したのがリツキサンです。
2002年、フランスの研究グループがCHOPとリツキサンを併用する「R-CHOP療法」を行い、優れた成績を 発表しました。
当時は2〜3年の経過を追った中間報告に過ぎず、その後の成り行きを世界中が見守っていましたが、今年の米国臨床腫瘍学会にて最終報告が行われたのです。
■中・高悪性度の非ホジキンリンパ腫に対するR-CHOP療法の長期予後(注:患者背景を補正した後のデータ)
本試験は、未治療かつ進行期にある高齢者の「びまん性大細胞型・B細胞性非ホジキンリンパ腫」が対象とされました。
いうなれば、悪性度の高いリンパ腫の試験です。
5〜7年(中央値5年)の追跡が行われた結果、低リスク群における全生存率(病状のいかんを問わない全ての生存率)は、CHOP療法の62パーセントに対してR-CHOP療法では80パーセントを示し、大変に優れた成績でした。
高リスク患者の全生存率についても、CHOP療法の39パーセン トに対してR-CHOP療法は48パーセントと勝っていました。
CHOP療法の確立以降、こうした治療成績の向上は初めてといえるでしょう。リツキサンの副作用
リツキサンには投与時反応と呼ばれる固有の副作用があります。
初回の投与時(30分から2時間後)に発熱や悪寒、頭痛などを覚えますが、2回目以降の投与では無くなることがほとんどです。
循環器系へも多少影響し血圧が高くなることもありますが、全般として軽い副作用です。
注意すべきは投与時反応です から、治療を終えて帰宅した後にも、異常を感じたら直ぐに医師または看護師へ連絡するようにして下さい。
リツキサンとは
リツキサンは、遺伝子組換え技術によって作られた「抗体医薬品」です。
抗体とは本来、体内に進入した異物と結合して、その異物を無毒化する役割をもっており、体の中で自然に造られるものです。
一方リツキサンは、がん化したB細胞の表面にある「CD20」というタンパク質に結合するよう造られた人工的な抗体です。
世界初の治療用抗体であり、1997年に米国で承認された後、現在では世界中の約80カ国で使用されています。
その作用は、がん化したB細胞を直接攻撃すると共に、体が本来もっている免疫系を応援することも解かっています。
リツキサンの「効能・効果」「用法・用量」および「使用上の注意(抜粋)」は、表に示すとおりです。
数時間の点滴を週に1回行うだけですから、通院 治療も可能です。
国内では2001年の9月から販売が開始され、当初は低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いられました。
低悪性度のリンパ腫は進行が遅い反面、従来の抗がん剤では効果があまり得られていませんでした。
ところがリツキサンならば、既存治療にて再発・再燃したものにも効果が期待できたのです。
国内の第2相臨床試験では、ろ胞性または低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対して、リツキサン単独投与が61パーセントの奏効率(部分的な寛解以上が得られた患者割合)を示し、その効果は1年近く続いたと報告されています。
また、従来の抗がん剤と併用しても副作用が強まることはなく、相乗効果 が望めるとされています。リツキサンの概要(医薬品添付文書より抜粋)
効果・効能
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
用法・用量
通常成人には、1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。1回に治療コースの中で最大投与回数は8回とする。
使用上の注意
本剤に頻発する投与時反応(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、投与30分前に抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬などの前投与を行うこと。
悪性リンパ腫の治療は、ここ10年ほどで大きく転換しました。とくに非ホジキンリンパ腫では、リツキサンの登場によって過去の標準治療が塗り替えら れたほどです。リツキサンは非ホジキンリンパ腫の中でも、低悪性度のものに優れた効果を示します。ですから発売当初は、低悪性度リンパ腫への投与が中心的 でした。しかし、中・高悪性度の非ホジキンリンパ腫にも、大きな効果が期待できるのです。そこで本稿では、中・高悪性度のホジキンリンパ腫におけるリツキ サンの最新エビデンスを紹介します。悪性リンパ腫の分類
まず、悪性リンパ腫の分類を整理しておきましょう。悪性リンパ腫は、3大血液腫瘍の1つ(残り2つは白血病と多発性骨髄腫)で、非ホジキンリンパ腫 とホジキンリンパ腫に分けられます。非ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫の中で最も多く、その9割近くを占めています。首やわきの下、足のつけ根などのリ ンパ節に病変を生じ、発症年齢は60歳代でピークとなります。
この病気でがん化しているのは、その名が示すとおり「リンパ球」です。リンパ球は血液の中にある細胞で、通常は免疫などの働きを担っています。リン パ球は、さらにB細胞やT細胞、NK細胞などに分類されますが、がん化したものの8~9割はB細胞だとされています。従って、悪性リンパ腫の代表格といえ ば「非ホジキンリンパ腫」であり、「B細胞リンパ腫」なのです。 これらの悪性度を知るためには、
顕微鏡でみた細胞の形などが参考にされます。非ホジキンリンパ腫は全般的に悪性ですが、その中でも顕微鏡的にランク 付けをして、「ろ胞性リンパ腫(低悪性)」と「びまん性リンパ腫(中・高悪性)」に分類しています。他にも30種類以上に分類されています。このように悪 性リンパ腫の分類は難解ですから、資料を読む際などはどの分類の成績を述べているのか間違えないで下さい。
標準的になってきたR-CHOP療法
リツキサンは単独で用いることもありますが、ほかの薬と組み合わせて治療を行うこともあります。特に近年、効果が期待されている治療法がR-CHOP療法です。
R-CHOPのRはリツキサンのことで、CHOPとは、エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)、アドリアシン(一般名ドキソルビシン)、オンコビン(一般名ビンクリスチン)、プレドニン(一般名プレドニゾロン)の4種類の抗がん剤の組み合わせのことです。
非ホジキンリンパ腫に対する標準的な治療法はこれまで、CHOP療法でした。しかし、リツキサンが開発・販売されてからは、B細胞型の非ホジキンリンパ腫に対しては、CHOP療法にリツキサンを加えたR-CHOP療法が標準的になってきています。
R-CHOP療法は、通常、6〜8コース(1コースは21日間)行います。リツキサンは、最初の治療は原則として入院して受けることが多いのですが、2回目以降は、特に大きな問題が起きなければ、通院して受けるのが一般的です。副作用は発熱、悪寒、虚脱感など
リツキサンの主な副作用には発熱、悪寒、虚脱感、かゆみ、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹などがあります。これらは通常、比較的軽微な副作用です。
血液に関する異常では、白血球の減少、好中球の減少、血小板の減少などが現れることがあります。
重篤な症状としては、アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害などの副作用があります。まれではありますが、肺浸潤や心筋梗塞、心室細動などを引き起こし、亡くなったケースもあります。
リツキサンの副作用の多くは、初めて行う治療中に起こり、治療が終わるころまでか、遅くとも1日経てば、ほとんど症状がなくなるか、軽くなります。 2回目以降の治療では、副作用は減少しますが、2回目以降に初めて副作用が現れることもありますし、それまでと異なる副作用が現れることもあります。
副作用に対する予防法として、リツキサンの点滴を行う前に、抗ヒスタミン剤と解熱鎮痛剤を内服します。
リツキサンとほかの治療法を併用すると、リツキサンの副作用に加えて、併用する治療法の副作用が出ることがあります。R-CHOP療法を行った場合 は、短期的な副作用では、吐き気、白血球の減少、血小板の減少、貧血など、長期的な副作用では、脱毛、手足のしびれ、心臓に対する悪影響などが起こること があります。
また、リツキサンは血圧に影響することもあるので、高血圧に関する薬を服用されている場合は、あらかじめ主治医に相談したほうがよいでしょう。
薬である以上、副作用には注意が必要ですが、リツキサンの登場によって、非ホジキンリンパ腫の治療は新たな段階を迎えました。いま大きな期待を寄せられている薬の一つです。
リツキサンの副作用
一般的な副作用
・発熱、悪寒、かゆみ、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹、白血球減少、好中球減少、血小板減少など
重い副作用
・アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害など R-CHOPの副作用 ・吐き気、白血球の減少、血小板の減少、貧血、脱毛、手足のしびれなどつづきます
リツキサンは、非ホジキンリンパ腫に用いる薬で、モノクローナル抗体薬の一つです。
2001年に発売が開始された比較的新しい薬です。
白血球の一種であるリンパ球には、B細胞やT細胞などがあり、リツキサンはこのうち、B細胞が悪性化するタイプの非ホジキンリンパ腫に使用します。
非ホジキンリンパ腫とは、悪性リンパ腫(リンパ球が悪性化する病気)の一つで、もう一つの悪性リンパ腫であるホジキン病に比べると、日本人に多い疾患です。
ホジキンリンパ腫が20〜30歳代と60歳以上の人に多いのに対し、非ホジキンリンパ腫は50歳代以上がピークとなっています。
抗体とは、細菌などの体にとっての異物を認めると、その異物と結びついて免疫系がそれらを体から排除するのを助ける働きをします。
モノクローナル抗体薬は、がん細胞などを標的として結びつくように遺伝子工学的に設計された抗体です。
モノクローナル抗体薬であるリツキサンは、悪性化したBリンパ球と成熟段階にある特定の正常Bリンパ球に存在しているCD20というタンパクに結合します。
リツキサンと結合したリンパ腫細胞に対して
免疫反応が強く起こり、貧食細胞(マクロファージ)がリンパ腫を異物と認識して、食べたり、破壊したりします。CD20という目印のあるタンパクにだけ結
合するので、従来の化学療法に比べ、正常細胞への副作用が少ないのが特長です。
海外のデータによると、リツキサンプラス化学療法を行った患者群は、化学療法単独の患者群に比較して、長期生存する人が10パーセント多くなっています。
10パーセントというと大きな差がないようですが、悪性リンパ腫における長期生存とは病気が治癒したとほぼ同じ意味で、それが10パーセント改善す
るのは画期的なことです。リツキサンは点滴で投与されます。患者の体表面積から1回あたりの治療に必要な量を計算し、最大8回投与します。
通常、初回は入院して行うことが多いのですが、2回目以降は一般的に外来で行うことになります。