田舎のどさ回りの役者のように、吉冨泉先生は、古びた聖書一冊を大事な商売道具じゃと言うて、神様の生きた芝居を見せるために、四国、九州の片田舎を巡り歩き、神の伝道者として、九十年の人生の旅路を伝道一筋で閉じました。
孤高な人生でした。
後に知りましたが、養子の息子さんに残した言葉は「自分の死は誰にも告げるな!」でした。
師には、いつ頃からか、変人奇人、ほら吹きの形容詞がついて回るようになりましたがいっこう気に掛ける様子もなく平然としていました。
ある時「宗教の嘘ほど質が悪く罪深いものはないでしょう~が、あんたは、どげん思いますか?」と、聞かれました。
黙っていると、
神様の言われた言葉と人間の考えた言葉の境界線は文字化けするから信用できんでしょうが?
神様のみ言葉をきわめるには、馬鹿面して人の心の中に入り込むと、ようわかります。
神様が働いてくだされば、うわべの態度と違う本物が現れるですたい!
師はどこかで拾ってきたと言う、女性用の金髪のかつらをヒョイトハゲ頭にかぶせてにっこり笑ってくれました。
師が去ったあとで浅学なわれを静かに戒めてくださった純朴な魂の持ち主の、奥深さを感じる昨今です!
オショチ†
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