2009-10-31

散歩道

photo by Oshochi

雨が降って水溜まりができると、決まって遊びに来る鴨の親子連れを見掛けます。

今朝も飛来して来ました。日照りが続くと池の底が見えます。

鴨の親子連れは何処から来るのかわかりませんが?

心に安らぎを与えてくれます!

今日は何となく、嬉しくてちからが 来ました。

感謝です!
オショチ

2009-10-30

このブログを書く理由

photo by Oshoshi

現在、高齢の身には辛く苦しい治療を受けています。

しかし治るという希望を捨てない限り、必ず治ります。

これがオショチがこのブログを書く理由です。

最近、日本全国で、2人に1人が何らかのがんにかかり、3人に1人ががんによって命を失っているという統計があります。

がんにかかった患者さんたちは、よい治療を求めてうろうろしています。

時には冷たくあしらわれたり、端(はな)から受け付けてもらえないという話も聞いています。

悪性リンパ腫の治療も、とても苦しいですが、リツキサンの登場によって、これまでは4~5割だった治癒率が、8割以上、寛解(かんかい)するようになりました。

そこでいろいろ考えて、ただ治っただけでは意味がない。「この世の誰かのために役に立つ」この志が、厳しい抗がん剤治療を受けているつらい患者の身から、生きる勇気と希望を伝えることにつながっています。

病に苦しむ方に切実に読んでいただいていますから、私も真剣に書いています。ですから、そうでない方には「このブログは読み捨ててくださって結構です」というのが正直な思いです。

しかし、万一、“がん宣告”をされても諦めないで下さい。落ち込まないでください。必ずあなたを助けてくださる、先生、医療機関があります。神がおられます!

希望を捨てないでください。生きる道はいくらでもあります。わたしどもでよければお手伝いします。ご相談ください。

余談になりますが、私は年齢76歳半の小さな教会の牧師です。

若い頃、交通事故(当て逃げに遭い左足が砕けました。その時の輸血でC型肝炎にかかり)肝硬変の治療を長年続けてきました。

頸椎症のため、手術で6本のチタンボルトが首に埋め込まれています。

一昨年、左腎臓から膀胱にかけて、がんが疑われ、尿管狭窄症と分かりおぺを受けましたが、今度は反対の右腎臓にがんが見つかり、今年4月右腎全摘出、同時に胆嚢摘出手術を受けました。

このことは再々書きました。何故?しつこく書き綴るのか?と、云われもしました。

私のような、つらい目にあって欲しくない。ただそれだけの理由です!

様々な障害に苦しんで来ましたから!

当て逃げした、交通事故の犯人に対して憎しみは一度も持ちませんでした。

ですが、めぐりめぐって!そして今、最後の悪性リンパ腫の治療にたどり着き治療に取り組んでいます。

正直言ってつらいです。

悪性リンパ腫の原因の一つに、C型肝炎の原因説も含まれていますから!

あの事故に遭わないでいたら?輸血さえしなかったら?

時々夢を見るのです。あれは“夢のなかのできごとではないかと?”

現実ですから、逃避は不可能です!前に進むだけです!

また、別のつらさがあります!私の体調です!

一回の投与に約8時間かかります。血液検査をして、様々な抗がん剤、そしてリツキサンをその日の体に合うように調剤をしてもらいます。

それまでが約2時間。それから、ベッドに横になり、6時間点滴を受け続けます。点滴は機械で調節され、異常があれば大きなブザーが音が鳴ります。

この間、普通の人は死を考えたり、ひどい不安に襲われたり、様々な苦痛を味わいます。なかには沈黙して、一切語らない人もいます。

しかし、私はこの体験をブログを通して、広くみなさんにお伝えします。

お伝えする使命感があります。

明日はあなたの身に起きるかも知れないのです。

もし、あなたが、私と同じがんに苦しんでいるならなおさらあなたの苦しみを分かち合いたいと思います。これは願い、祈りです!

必ず治る確信がありますから、どうぞ絶望しないでください。愛するご家族のもとに、笑顔でお戻りください。

これが私の祈りと治療であります。

兄弟姉妹の祈りを感じます。

みなさんに祈られていることで、力と生きる勇気が与えられます。

愛の力は奇跡を起こします。

主イエス・キリストの御名によりて。感謝とともに†我が身の体験報告です!

オショチ†

2009-10-27

台風一過秋空の中のお散歩

photo by Oshochi


久しぶりの気持ちよい秋日和です(^-^)

剣呑→けんのんな暗いニュースばかりですが、お天気が良いと気分が晴れます(^-^)

オショチ†



夢は神の警告

危険が迫ると天使が知らせる。

ある大学生の事件は可哀相だが、どこかに隙があったのか?

人間関係に危機が迫っている!

犠牲者の交友関係に警察官の手がのびてるだろう?


何かか完全に狂っている!

暗い道、夜中道は避けるべきだ!

強盗殺人放火、日常茶飯事、皆、自分は大丈夫だと密かに考えてる。

そこが危険な落とし穴だ!

詐欺、空き巣、偽者、偽物自分たちでしっかり自覚しないとひどい目に遭う。

交通事故も悲惨だ!

痴漢、かっぱらい、辻強盗、言いがかり。

人間を深く見透す力を養いこと!これは警告だ!

危険、危険、危険、危険、危険だらけ!

軽々しい態度では相手を犯罪組織に狙われる。

神様も守れないときがある!

自分は自分たちではっきりした意思で身を守れ!

ワシも皆のために安全なバリヤーをはり続ける!

神と共に†歩む

2009-10-25

今週の聖句 10/25〜10/31

  正しく行動せよ

正しく時を見極め、悪から身を守れ。
いたずらに自分を恥じることはない。

罪をもたらす恥じらいもあり、
名誉と尊敬に値する恥じらいもあるのだから。

自分の気持を裏切ってまで、他人にこびるな。
いたずらに恥じて身の破滅をもたらすな。

必要なときに発言するのをためらうな。
〔お前の知恵を、見栄のために隠してはならない。〕

知恵は、言葉によって知られ、
教訓は、語る言葉によって理解されるのだから。

真理に逆らって発言するな。
自分の無学を恥じよ。

罪を告白することを恥じるな。
川の流れを無理にせき止めてはならない。

愚か者の言いなりになるな。
権力者にへつらうな。

真理のためには、命がけで戦え。
主なる神も、お前に味方して戦ってくださる。

軽はずみな口を利くな。
仕事を怠けたり、なげやりにしたりするな。

家の中で獅子のようにふるまうな。
自分の家の召し使いたちを気まぐれに扱うな。

もらうときに手を出すのなら、
返すときには出ししぶるな。

シラ書4:20〜31

2009-10-24

この世は情けの貸し借り

“この世は情けの貸し借りと”と、申しますが実感していす。

私はこのところ、いろいろと助けられていますから、ことさら、この言葉が身に染みます。

助けられたり、たまには助けたり?

苦しい闘病生活も、励ましを受け、勇気づけられたりの毎日です。

拙句、オショチ句集より

「目の前の
一つ々を
越えて行く
生きる
力は
あなたから
合掌!」


話しは変わりますが、「患者が連携、政治動かす」

先だって、ある新聞記事に目が止まりました。

【微聞、積聞】
欧州ではがん患者会の活動が盛んで、より良い治療を求め、患者の声を政府などに届ける「アドボカシー活動」が活発に進められている。
欧州全体での患者会の連携も深まっており、医療政策に大きな影響力を持っているという内容でした。

英国を中心に患者会組織の支援に取り組む医療コンサルタントの ジーン・モスマンさんの話しです。


−アドボカシーとは−
重要な問題について発言するということ。子宮がんを例に挙げると、イギリスでは少し前まで地域により治療レベルが違っていた。

2009-10-23

今日の様子 10月23日

photo by Oshochi

今日の様子をご報告致します。

松浦先生から受けました、季節性インフルエンザのワクチンは、お陰様で少し痒みがある程度です。



【記録です】
*血圧:125-65
*脈拍:63
*体温:36.5℃
*体重:47.5㌔
*排泄:普通
*その他:多少皮膚の痒みがあります。
*食欲は普遍です。

両手の痺れが少し減りました。
少しずつ回復しています。
在主†オショチ

2009-10-21

今日の様子 10月21日

昨日の血液検査結果などのご報告です。

白血球が1900、血小板が59000です。

来週木曜日に検査してから白血球の注射するかもしれません。

再来週の木曜日は多分リツキサンだけらしいです。

お陰様でCT検査では腎臓等 含めて悪性リンパ腫はかなり小さくなっていました。

季節性インフルエンザのワクチン接種も済ませました。

後は、新型インフルエンザのワクチン接種を済ませて、あと3回リツキサンが終われば、中井に戻れそうです。

†在主†

愛川オショチ

2009-10-18

今週の聖句 10/18〜10/24

  知恵の試練

知恵は、それに従う子らを高め、
これを追い求める者を助ける。

知恵を愛する者は、命を愛する者。
朝早く起きて知恵を求める者は、
喜びに満たされる。

知恵を得る者は、誉れを受け継ぎ、
行く先々で、主から祝福される。

知恵に仕える者は、聖なる方に奉仕する者。
知恵を愛する者は、主から愛される。

知恵に聞き従う者は、諸国民を正しく裁き、
知恵に心を向ける者は、安らかに暮らす。

知恵を信頼すれば、知恵が与えられ、
子孫もその知恵を受け継ぐ。

知恵は、最初、お前を険しい道に連れて行き、
恐れの気持を抱かせて、おじけさせる。
知恵の試練は、お前を激しく苦しめる。
知恵は、お前を信頼するまで、
数々の要求を突きつけて、お前を試みる。

だがすぐに、知恵は再びお前のもとに来て、
お前を喜ばせ、その真意を明らかに示す。

しかし、お前が道をそれるなら、
知恵はお前を見捨て、
お前が破滅していくにまかせる。


シラ書4:11〜18

2009-10-16

今日の様子 10月16日

photo by Oshochi

リツキサン三回目の8日目です。

今日の様子をご報告致します。

足のむくみは気になるほどではありません。

食欲増進しています。体重増加はして50㎏近くになりました。腫れやむくみではありません。

【記録です】
*血圧:126-75
*脈拍:65
*体温:36.2℃
*体重:49.8㌔
*排泄:あり
*排尿:普通
*その他:
軽い散歩をします。視力が少し落ちて来ましたがまだ変わりません。
新聞は読めます!

今回は両手の痺れが少し強いですね。
倦怠感はありますが、顔には出ません。

口内炎は2回目よりは酷くありません。
少しずつ回復しています。
体力は付きはじめた感じがしています。散歩が楽に出来ますから!
在主†
オショチ

2009-10-13

今日の様子 10月13日

photo by Oshohci

今日の様子をご報告致します。
プレドニンは服用終わりました。
足のむくみは気になるほどではありません。
食欲増進しています。体重増加はそのお蔭だと思います。

先日“効奏率”なんて間違いましたが(-人-)→奏効率なんですね(^o^;
医学用語は難しいです。


【記録です】
*血圧:140−71
*脈拍:62
*体温:36.4度
*体重:48.6㌔
*排泄:あり
*排尿:普通
*その他:
朝、軽い散歩をしました。視力が少し落ちて来ました。
両手の痺れはありますが
ひどくはありません。

感謝を込めて!
在主†
オショチ

2009-10-12

今日の様子 10月12日

photo by oshochi

今日の様子をご報告致します。

*血圧:131−67
*脈拍:56
*体温:36.3℃
*体重:47.8㌔
*排泄:あり
*排尿:普通
*その他:今朝は倦怠感があります。
朝、軽い散歩をしました。視力が少し落ちて来ました。
両手の痺れはありますがひどくはありません。

治療効果を信じています。投薬の回を重ねると、少しずつ辛くなりますね!
後に回復の喜びがありますから、頑張ります!
感謝を込めて!
在主†
オショチ

2009-10-11

今週の聖句 10/11~17

子よ、貧しい人の生活を脅かすな。
乞い求めるまなざしの人をじらすな。

飢えている人を悲しませるな。
途方に暮れている人を怒らせるな。

いらだっている人を更に苦しめるな。
乞い求める人に与えることをためらうな。

悩んで助けを求める人を拒むな。
貧しい人から顔を背けるな。

物乞いする人から目を背けるな。
お前を呪う口実を彼に与えるな。

その人が恨みを込めてお前を激しく呪えば、
造り主は、彼の願いを聞き入れられるから。

会堂では、人々から好意を持たれるようにせよ。
権威ある者には、頭を低くせよ。

貧しい人の訴えに耳を傾け、
穏やかにそして柔和に、答えるがよい。

不当に扱われている者を
  加害者の手から救い出せ。勇気をもって決断せよ。

孤児たちに対しては父親のようになり、
孤児たちの母親に対しては、
  その夫がするように手助けするがよい。
そうすれば、いと高き方はお前を子と見なし、
母親以上にお前を愛してくださる。

シラ書〔集会の書〕4:1〜10

2009-10-10

オショチの闘病第3信から(1)

10月第2週の「オショチの闘病第3信」からのエントリーです。ainoki.jpにリンクしています。ぜひご覧ください。

2009/10/08

リツキサン3回目・抗がん剤2回目
お陰様で台風の影響を受けずに、予定通り、今、東京慈恵医大、腫瘍血液内科外来で島田貴先生から点滴を受けています。



2009/10/09

悪性リンパ腫と闘う病友
先生は血液内科の先生はじめ他の専門先生方と本音でお話が出来る方なので…


2009/10/10

リツキサン3回目から3日目の朝です
悪性リンパ腫治療薬投与から3日目の朝です。
調子は悪くありません。


[独り言]よくぞここまで(全5回)
病気にまつわる回顧談議みたいですが。お許しください。

この文章への反響のページもあります。

2009-10-04

今週の聖句 10/04~10

  謙遜

子よ、何事をなすにも柔和であれ。
そうすれば、施しをする人にもまして愛される。

偉くなればなるほど、自らへりくだれ。
そうすれば、主は喜んで受け入れてくださる。

〔身分の高い人や著名な人は多い。
しかし、神の奥義は柔和な人に現される。〕

主の威光は壮大。
主はへりくだる人によってあがめられる。

お前の力に余ることを理解しようとするな。
また、手に負えないことを探究しようとするな。

お前のために定められていること、
  それを熟慮せよ。
お前に示されていないことを知る必要はない。

できないことに手を出すな。
お前に示されたことは、
  既に人間の理解を超えたものなのだから。

多くの者が早合点して道を誤り、
  誤った推測で判断をゆがめてしまった。

〔目がなければ、光を見ることはできない。
知識がないのに、知ったかぶりをするな。〕

  心のかたくなな者

心のかたくなな者は、晩年になって苦しむ。
危険を好む者は、それによって身を滅ぼす。

心のかたくなな者は、重荷を負って悩み苦しむ。
罪人は、罪に罪を重ねる。

高慢な者が被る災難は、手の施しようがない。
彼の中には悪が深く根を下ろしている。

賢者の心は、格言を思い巡らし、
  知者の耳は、格言を熱心に聴く。

  貧者への施し

水が燃え盛る火を消すように、
施しの業は、罪を償う。

好意に報いることは、自分の将来のためになる。
困難に陥ったときに、支えが与えられる。

シラ書〔集会の書〕3:17〜31

2009-10-03

雨上がりの朝の散歩

photo by Oshochi

気持ちの良い朝です。

朝日の木漏れ日が体に力をくれます

今日も幸せであります様に神のお恵みをお祈りします。

†オショチ

2009-10-02

リツキサンとは(5)

この資料をホームページで検索して下さる、皆様に心より感謝いたします。

血液疾患で亡くなられた病友忘れません。何時も思い出します。

血液疾患の怖さは“感染症”です。新型インフルエンザも大敵です。

以前ですが、治ると信じて、ついに天に召された病友を忘れません。

私が現在治療を受けている悪性リンパ腫のリツキサンと抗がん剤の組み合わせは最後の拠り所です。

この資料は万一?血液病に罹患された場合、役立つと信じて、ホームページに患者の体験談として掲載しました。

必ず治ると信じています。
リツキサン投与の様子 photo by Oshochi

中・高悪性度の患者における最新エビデンス

本題の「中・高悪性度のリンパ腫」に話を進めましょう。
進行期のリンパ腫に対しては、1970年代にCHOP療法が確立しました。
これは4種類の薬剤を組み合わせた処方であり、一定の効果が認められています。
その後、様々な処方が工夫されたにも関わらず、残念ながら目覚しい成果は得られませんでした。
そこに登場したのがリツキサンです。
2002年、フランスの研究グループがCHOPとリツキサンを併用する「R-CHOP療法」を行い、優れた成績を 発表しました。
当時は2〜3年の経過を追った中間報告に過ぎず、その後の成り行きを世界中が見守っていましたが、今年の米国臨床腫瘍学会にて最終報告が行われたのです。

■中・高悪性度の非ホジキンリンパ腫に対するR-CHOP療法の長期予後(注:患者背景を補正した後のデータ)


本試験は、未治療かつ進行期にある高齢者の「びまん性大細胞型・B細胞性非ホジキンリンパ腫」が対象とされました。
いうなれば、悪性度の高いリンパ腫の試験です。
5〜7年(中央値5年)の追跡が行われた結果、低リスク群における全生存率(病状のいかんを問わない全ての生存率)は、CHOP療法の62パーセントに対してR-CHOP療法では80パーセントを示し、大変に優れた成績でした。
高リスク患者の全生存率についても、CHOP療法の39パーセン トに対してR-CHOP療法は48パーセントと勝っていました。
CHOP療法の確立以降、こうした治療成績の向上は初めてといえるでしょう。

リツキサンの副作用

リツキサンには投与時反応と呼ばれる固有の副作用があります。
初回の投与時(30分から2時間後)に発熱や悪寒、頭痛などを覚えますが、2回目以降の投与では無くなることがほとんどです。
循環器系へも多少影響し血圧が高くなることもありますが、全般として軽い副作用です。
注意すべきは投与時反応です から、治療を終えて帰宅した後にも、異常を感じたら直ぐに医師または看護師へ連絡するようにして下さい。


注:詳しいことは、専門医の先生に、ご相談されることをお薦めいたします。

リツキサン投与中のオショチ

リツキサンとは(4)

「リツキサン(一般名リツキシマブ)」
監修:増田道彦先生(東京女子医科大学血液内科講師)、文:平出 浩氏
癌サポート情報センター薬剤患者のためのがんの薬事典(2005年02月号)からの抜粋つづきです。

リツキサンとは

リツキサンは、遺伝子組換え技術によって作られた「抗体医薬品」です。
抗体とは本来、体内に進入した異物と結合して、その異物を無毒化する役割をもっており、体の中で自然に造られるものです。
一方リツキサンは、がん化したB細胞の表面にある「CD20」というタンパク質に結合するよう造られた人工的な抗体です。
世界初の治療用抗体であり、1997年に米国で承認された後、現在では世界中の約80カ国で使用されています。
その作用は、がん化したB細胞を直接攻撃すると共に、体が本来もっている免疫系を応援することも解かっています。

リツキサンの「効能・効果」「用法・用量」および「使用上の注意(抜粋)」は、表に示すとおりです。
数時間の点滴を週に1回行うだけですから、通院 治療も可能です。
国内では2001年の9月から販売が開始され、当初は低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いられました。
低悪性度のリンパ腫は進行が遅い反面、従来の抗がん剤では効果があまり得られていませんでした。
ところがリツキサンならば、既存治療にて再発・再燃したものにも効果が期待できたのです。

国内の第2相臨床試験では、ろ胞性または低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対して、リツキサン単独投与が61パーセントの奏効率(部分的な寛解以上が得られた患者割合)を示し、その効果は1年近く続いたと報告されています。
また、従来の抗がん剤と併用しても副作用が強まることはなく、相乗効果 が望めるとされています。

リツキサンの概要(医薬品添付文書より抜粋)

効果・効能
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫

用法・用量
通常成人には、1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。1回に治療コースの中で最大投与回数は8回とする。

使用上の注意
本剤に頻発する投与時反応(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、投与30分前に抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬などの前投与を行うこと。

リツキサンとは(3)

「リツキサン(一般名リツキシマブ)」
監修:増田道彦先生(東京女子医科大学血液内科講師)、文:平出 浩氏
癌サポート情報センター薬剤患者のためのがんの薬事典(2005年02月号)からの抜粋つづきです。

悪性リンパ腫の治療は、ここ10年ほどで大きく転換しました。とくに非ホジキンリンパ腫では、リツキサンの登場によって過去の標準治療が塗り替えら れたほどです。リツキサンは非ホジキンリンパ腫の中でも、低悪性度のものに優れた効果を示します。ですから発売当初は、低悪性度リンパ腫への投与が中心的 でした。しかし、中・高悪性度の非ホジキンリンパ腫にも、大きな効果が期待できるのです。そこで本稿では、中・高悪性度のホジキンリンパ腫におけるリツキ サンの最新エビデンスを紹介します。

悪性リンパ腫の分類

まず、悪性リンパ腫の分類を整理しておきましょう。悪性リンパ腫は、3大血液腫瘍の1つ(残り2つは白血病と多発性骨髄腫)で、非ホジキンリンパ腫 とホジキンリンパ腫に分けられます。非ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫の中で最も多く、その9割近くを占めています。首やわきの下、足のつけ根などのリ ンパ節に病変を生じ、発症年齢は60歳代でピークとなります。

この病気でがん化しているのは、その名が示すとおり「リンパ球」です。リンパ球は血液の中にある細胞で、通常は免疫などの働きを担っています。リン パ球は、さらにB細胞やT細胞、NK細胞などに分類されますが、がん化したものの8~9割はB細胞だとされています。従って、悪性リンパ腫の代表格といえ ば「非ホジキンリンパ腫」であり、「B細胞リンパ腫」なのです。 これらの悪性度を知るためには、

顕微鏡でみた細胞の形などが参考にされます。非ホジキンリンパ腫は全般的に悪性ですが、その中でも顕微鏡的にランク 付けをして、「ろ胞性リンパ腫(低悪性)」と「びまん性リンパ腫(中・高悪性)」に分類しています。他にも30種類以上に分類されています。このように悪 性リンパ腫の分類は難解ですから、資料を読む際などはどの分類の成績を述べているのか間違えないで下さい。

つづきます

リツキサンとは(2)

「リツキサン(一般名リツキシマブ)」
監修:増田道彦先生(東京女子医科大学血液内科講師)、文:平出 浩氏
癌サポート情報センター薬剤患者のためのがんの薬事典(2005年02月号)からの抜粋つづきです。

標準的になってきたR-CHOP療法
リツキサンは単独で用いることもありますが、ほかの薬と組み合わせて治療を行うこともあります。特に近年、効果が期待されている治療法がR-CHOP療法です。

R-CHOPのRはリツキサンのことで、CHOPとは、エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)、アドリアシン(一般名ドキソルビシン)、オンコビン(一般名ビンクリスチン)、プレドニン(一般名プレドニゾロン)の4種類の抗がん剤の組み合わせのことです。

非ホジキンリンパ腫に対する標準的な治療法はこれまで、CHOP療法でした。しかし、リツキサンが開発・販売されてからは、B細胞型の非ホジキンリンパ腫に対しては、CHOP療法にリツキサンを加えたR-CHOP療法が標準的になってきています。

R-CHOP療法は、通常、6〜8コース(1コースは21日間)行います。リツキサンは、最初の治療は原則として入院して受けることが多いのですが、2回目以降は、特に大きな問題が起きなければ、通院して受けるのが一般的です。

副作用は発熱、悪寒、虚脱感など

リツキサンの主な副作用には発熱、悪寒、虚脱感、かゆみ、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹などがあります。これらは通常、比較的軽微な副作用です。

血液に関する異常では、白血球の減少、好中球の減少、血小板の減少などが現れることがあります。

重篤な症状としては、アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害などの副作用があります。まれではありますが、肺浸潤や心筋梗塞、心室細動などを引き起こし、亡くなったケースもあります。

リツキサンの副作用の多くは、初めて行う治療中に起こり、治療が終わるころまでか、遅くとも1日経てば、ほとんど症状がなくなるか、軽くなります。 2回目以降の治療では、副作用は減少しますが、2回目以降に初めて副作用が現れることもありますし、それまでと異なる副作用が現れることもあります。

副作用に対する予防法として、リツキサンの点滴を行う前に、抗ヒスタミン剤と解熱鎮痛剤を内服します。

リツキサンとほかの治療法を併用すると、リツキサンの副作用に加えて、併用する治療法の副作用が出ることがあります。R-CHOP療法を行った場合 は、短期的な副作用では、吐き気、白血球の減少、血小板の減少、貧血など、長期的な副作用では、脱毛、手足のしびれ、心臓に対する悪影響などが起こること があります。

また、リツキサンは血圧に影響することもあるので、高血圧に関する薬を服用されている場合は、あらかじめ主治医に相談したほうがよいでしょう。

薬である以上、副作用には注意が必要ですが、リツキサンの登場によって、非ホジキンリンパ腫の治療は新たな段階を迎えました。いま大きな期待を寄せられている薬の一つです。

リツキサンの副作用

一般的な副作用
・発熱、悪寒、かゆみ、頭痛、ほてり、血圧上昇、頻脈、多汗、発疹、白血球減少、好中球減少、血小板減少など

重い副作用
・アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害など R-CHOPの副作用 ・吐き気、白血球の減少、血小板の減少、貧血、脱毛、手足のしびれなど

つづきます