監修:増田道彦先生(東京女子医科大学血液内科講師)、文:平出 浩氏
癌サポート情報センター薬剤患者のためのがんの薬事典(2005年02月号)からの抜粋つづきです。
悪性リンパ腫の治療は、ここ10年ほどで大きく転換しました。とくに非ホジキンリンパ腫では、リツキサンの登場によって過去の標準治療が塗り替えら れたほどです。リツキサンは非ホジキンリンパ腫の中でも、低悪性度のものに優れた効果を示します。ですから発売当初は、低悪性度リンパ腫への投与が中心的 でした。しかし、中・高悪性度の非ホジキンリンパ腫にも、大きな効果が期待できるのです。そこで本稿では、中・高悪性度のホジキンリンパ腫におけるリツキ サンの最新エビデンスを紹介します。悪性リンパ腫の分類
まず、悪性リンパ腫の分類を整理しておきましょう。悪性リンパ腫は、3大血液腫瘍の1つ(残り2つは白血病と多発性骨髄腫)で、非ホジキンリンパ腫 とホジキンリンパ腫に分けられます。非ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫の中で最も多く、その9割近くを占めています。首やわきの下、足のつけ根などのリ ンパ節に病変を生じ、発症年齢は60歳代でピークとなります。
この病気でがん化しているのは、その名が示すとおり「リンパ球」です。リンパ球は血液の中にある細胞で、通常は免疫などの働きを担っています。リン パ球は、さらにB細胞やT細胞、NK細胞などに分類されますが、がん化したものの8~9割はB細胞だとされています。従って、悪性リンパ腫の代表格といえ ば「非ホジキンリンパ腫」であり、「B細胞リンパ腫」なのです。 これらの悪性度を知るためには、
顕微鏡でみた細胞の形などが参考にされます。非ホジキンリンパ腫は全般的に悪性ですが、その中でも顕微鏡的にランク 付けをして、「ろ胞性リンパ腫(低悪性)」と「びまん性リンパ腫(中・高悪性)」に分類しています。他にも30種類以上に分類されています。このように悪 性リンパ腫の分類は難解ですから、資料を読む際などはどの分類の成績を述べているのか間違えないで下さい。
つづきます
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