ルカ1:1〜23
わたしたちの間に成就された出来事を、最初から親しく見た人々であって、
御言に仕えた人々が伝えたとおり物語に書き連ねようと、多くの人が手を着けましたが、
テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。
すでにお聞きになっている事が確実であることを、これによって十分に知っていただきたいためであります。
ユダヤの王ヘロデの世に、アビヤの組の祭司で名をザカリヤという者がいた。その妻はアロン家の娘のひとりで、名をエリサベツといった。
ふたりとも神のみまえに正しい人であって、主の戒めと定めとを、みな落度なく行っていた。
ところが、エリサベツは不妊の女であったため、彼らには子がなく、そしてふたりともすでに年老いていた。
さてザカリヤは、その組が当番になり神のみまえに祭司の務をしていたとき、
祭司職の慣例に従ってくじを引いたところ、主の聖所にはいって香をたくことになった。
香をたいている間、多くの民衆はみな外で祈っていた。
すると主の御使が現れて、香壇の右に立った。
ザカリヤはこれを見て、おじ惑い、恐怖の念に襲われた。
そこで御使が彼に言った、「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい。
彼はあなたに喜びと楽しみとをもたらし、多くの人々もその誕生を喜ぶであろう。
彼は主のみまえに大いなる者となり、ぶどう酒や強い酒をいっさい飲まず、母の胎内にいる時からすでに聖霊に満たされており、
そして、イスラエルの多くの子らを、主なる彼らの神に立ち帰らせるであろう。
彼はエリヤの霊と力とをもって、みまえに先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせて、整えられた民を主に備えるであろう」。
するとザカリヤは御使に言った、「どうしてそんな事が、わたしにわかるでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています」。
御使が答えて言った、「わたしは神のみまえに立つガブリエルであって、この喜ばしい知らせをあなたに語り伝えるために、つかわされたものである。
時が来れば成就するわたしの言葉を信じなかったから、あなたはおしになり、この事の起る日まで、ものが言えなくなる」。
民衆はザカリヤを待っていたので、彼が聖所内で暇どっているのを不思議に思っていた。
ついに彼は出てきたが、物が言えなかったので、人々は彼が聖所内でまぼろしを見たのだと悟った。彼は彼らに合図をするだけで、引きつづき、おしのままでいた。
それから務の期日が終ったので、家に帰った。
クリスマスに向けてルカ書を読んでいきます。