創世記
−アブラムの幻−
こんなことがあったあと、神のことばが幻のなかで聞こえてきました。 「アブラムよ、おそれてはならない。わたしはおまえの盾なのだから。いま、おまえに大きな報いをあげよう。」
アブラムは「神さま、わたしには子どもがなく、あとつぎといえばダマスコのエリエゼルというしもべですのに、わたしに何をさずけてくださるのでしょうか」とおたずねしました。
神は「その男でなく、おまえの子どもがあとつぎになるであろう。天をあおいで星をかぞえてごらん。おまえの子孫は、あのきらめく星と同じくらいに、かぞえきれないほどたくさんになるであろう」と、アブラムをそとにつれだして言われたのでした。
アブラムは神を信じ、神はまたアブラムを愛してくださいました。
神が「わたしは、カルデアのウルからおまえをつれだして、おまえにこの地をつがせようとした神である」と言われたので、アブラムは「おお神さま、わたしがこの地をつぐということが、どうしてわかるのでしょうか」とおたずねしました。
神は「三歳のめ牛と三歳のめヤギと三歳のお羊と、山バトと家バトのひなをささげなさい」と言われましたので、アブラムはそのとおりにしました。そして、このそなえものをきりさいて、むきあわせにしてならべました。家バトのひなだけは、そのままそなえました。あらあらしい鳥がこれらのそなえものをねらっておりてきたとき、彼はこの鳥をおいはらいました。
やがて日がしずみ、アブラムは深いねむりにおちました。おそろしいくらやみがあたりをつつむころ、神はアブラムに言われました。「おまえの子孫は、いまによその国ですごすことになる。そして四百年ものあいだ、使いまくられ、苦しめられる。しかし、苦しめた国民は、わたしがかならず罰しよう。おまえの子孫は、とらわれの四百年がすぎたあとでは、たくさんの財産をもって、自分の国にかえるであろう。おまえは、長生きをしてから安らかに先祖のもとにかえるであろう。」
神はまたアブラムと契約をむすんで「エジプトの川からあのユーフラテス川まで、おまえの子孫のものだ。その地に住むすべての人びとはおまえのものだ」と言われました。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿
「コメント」はブログの読者すべてに公開されます。公開に先立ち、管理者に届く設定ですので、プライバシーなどが含まれないか確認できますが、お名前やメールアドレス、私的なやりとりなど、個人情報に留意してください。イニシャルや匿名でも可能です。よろしくお願いします。