【死】
死よ、お前のことを思うのは、
なんと苦痛に満ちたことか、
裕福で平穏無事に暮らしている者にとって、
また、心を悩まさず、すべてがうまくいき、
まだ楽しみを味わえる力を持つ者にとっては。
死よ、お前の宣告はなんとありがたいことか、
生活に困り、力衰えた者にとって、
また、老け込んで、あらゆることに心を悩まし、
頑固になり、忍耐を失った者にとっては。
死の宣告を恐れるな。
先に死んだ人と、後から来る人のことを考えよ。
この宣告は生あるものすべてに主から下される。
なぜお前は、いと高き方の御旨に逆らうのか。
お前が十年、百年、または千年生きたとしても、
陰府では、寿命の長さは問題とされない。
【不信仰な者】
罪人の子らは忌み嫌われる。
彼らは不信仰な者の巣窟で育てられる。
罪人の子らは財産をつぶし、
その子孫は絶えず非難を被る。
不信仰な父親を、その子らは責める。
父親のせいで彼らが非難されるから。
不信仰な者たちよ、お前たちは禍いだ。
いと高き方の律法を捨てたからだ。
〔お前たちの子孫が増えるのは、滅びるため、〕
お前たちが生まれたのは、呪われるため、
お前たちが死ぬのは、呪いを受けるためなのだ。
土から出たものは、みな土に帰るように、
不信仰な者たちは、呪いから滅びへと至る。
【名前】
人は、肉体の死を嘆き悲しむが、
罪人たちの名は悪しきものとして抹殺される。
名を重んじよ。それは後々まで残り、
金の詰まった幾千の大きな宝箱にもまさる。
幸せな日々には限りがある。
しかし、名は永久に残る。
子らよ、穏やかな心で教訓を守れ。
隠された知恵と埋もれた宝、
それが何の役に立つのか。
自分の知恵を隠す人よりは、
自分の愚かさを隠す人の方がましだ。
それゆえ、わたしの忠告に従え。
いつも卑下すればよいというものではない。
皆がすべてのことを善意で受け取るとは
かぎらないからだ。
【恥ずべき事柄】
みだらなふるまいを、父や母の前で、
偽りを、支配者や王侯の前で恥じよ。
犯罪を、裁判官や行政官の前で、
不法を、会衆や民の前で、
不正を仲間や友人の前で恥じよ。
盗みを、近所の人々の前で恥じよ。
神の真理と契約の前で恥じよ。
食卓にひじをつくような行儀の悪さ、
物をもらったり、与えたりするときの
無礼な態度を恥じよ。
挨拶されたのに知らぬ顔をすること、
娼婦にみだらな目を向けることを恥じよ。
身内の頼みを拒絶すること、
他人の取り分、他人に渡す分を着服すること、
人妻に言い寄ることを恥じよ。
他人の召し使いに手を出すことを恥じよ。
彼女の寝床に近寄ってはならない。
友人に非難の言葉を浴びせることを恥じよ。
施しをした後で小言を言ってはならない。
(シラ書41章1〜22節)
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