【主の栄光】
澄み渡る大空はなんと高く壮大であることか。
天の姿はなんと栄光に満ちていることか。
太陽は現れ、燦然と昇り行き、宣言する。
いと高き方の御業はなんと驚嘆すべきものかと。
真昼になると太陽は大地を干上がらせる。
だれがその灼熱に耐えられよう。
かまどの火を吹く人は、灼熱の中で働くが、
太陽はその三倍の熱で山々を焦がす。
火のような熱気を吹き出し、
照り輝く光線は目をくらます。
太陽を造られた主は偉大な方。
主の命令によってそれは決められた道を急ぐ。
月も定まった時に現れ、
季節を分け、いつまでも時を示し続ける。
月によって祝祭日は定められる。
月の光は周期の終わりに弱まっていく。
月々の名前は、空のこの月によって付けられ、
月は驚くばかりに形を変え、満ちていく。
それは天の軍勢の合図の光、
天の大空にあって照り輝く。
光り輝く星は、夜空の美しい装い。
主の高き所できらめく飾り。
聖なる方の命令で、星は定められた場所につき、
見張りの務めを決して怠ることはない。
虹を見て、その造り主をほめたたえよ。
その輝く様はひときわ美しい。
それは天に栄光の弧を描く。
これはいと高き方の手が引き絞ったもの。
主は命令を下して吹雪を起こし、
主の裁きを行う稲妻を走らせる。
そこで、倉は開かれ、
雲は鳥のように飛び立って行く。
主は大いなる力をもって雲を固め、
粉々に砕いて雹にされる。
雷鳴のとどろきに大地はもだえ苦しみ、
主が現れると山々は震い動く。
主が望まれると南風が吹き、
つむじ風と北風が吹き荒れる。
舞い降りる鳥のように、主は雪をまき散らされ、
その落ちる様は飛び交ういなごの群れのようだ。
目はその美しい白さに驚き怪しみ、
心はその降りしきる様に恍惚となる。
主は塩のように霜を地上にまかれる。
それは凍って、鋭いとげのある花のようになる。
寒い北風が吹くと、
水の面は固い氷となる。
水のある所どこにでも吹きつければ、
水はあたかも胸当てを着けたようになる。
北風は山々を食い尽くし、荒れ野を焼き払い、
火のように若草を枯らしてしまう。
しかし、雨雲はすべてを速やかにいやし、
露は熱風を追い散らし、気分をさわやかにする。
主はその計らいによって地下の大海を静め、
島々をその中に据えられた。
海を旅する者たちは、海の危険について語り、
我々はそれを聞いて驚く。
そこには、不思議な驚くべき主の御業がある。
あらゆる種類の生き物や海の怪物がいる。
主の使いは、主の力によって務めを果たし、
主の言葉によって万物は秩序立てられている。
いかに多くを語っても、決して語り尽くせない。
「主はすべてだ。」このひと言に尽きる。
主の栄光をたたえる力をどこに見いだせよう。
主は御自分のすべての御業にまさって偉大だから。
主は恐るべき方、極めて偉大な方。
その力は驚嘆すべきもの。
主の栄光をたたえ、力を尽くして主をあがめよ。
主はなお、あらゆる賛美にまさる方。
全力を傾けて主をあがめよ。
うむことなく賛美せよ。
これで十分だということはないのだから。
だれが主を見たか、だれが主を語りえようか。
だれがふさわしく主をたたええようか。
以上のことよりまだ多くの偉大な秘義がある。
我々は、御業のほんの一部を見たにすぎない。
主は万物を創造し、
信仰深い人に知恵を与えられた。
(シラ書43章1〜33節)
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