創世記
−王、ヨセフに夢をつげる−
王は、二つの夢をヨセフに話しました。それを聞いたヨセフは言いました。
「その二つの夢は、同じことをあらわしています。神がこれからなさろうとすることを、王さまにおしめしになっているのです。
七頭のりっぱな牛と、みのった七本の穂は、七年の豊作です。そのあとにつづいた七頭のやせた牛と、かれた七つの穂は、七年のききんのことです。
わたしが王さまに申しあげたいことは、こうです。神さまは、エジプトじゅうに七年の大豊作と、つづいて七年の大ききんとをもたらすでしょう。そのききんは、とてもひどくて、いままで豊作の年があったなどとは、だれも思いだせないほど、たいへんなものです。
二度もおなじ夢をごらんになったということは、神さまがこのことを、はっきりとおきめになっているのだと思います。
ですから、王さまは、いまから、かしこくて考えぶかい人をさがしだして、その人にエジプトをおさめてもらうようになさい。そして王さまは、その人に役人をえらばせて、豊作の七年のうちにできた作物の五分の一を集め、町々にたくわえて、あとのききんにそなえなさい。そうすれば、この国がききんでほろびることはないでしょう。」
王も家臣たちも、すばらしい計画だと思いました。
「わたしたちは、この人のように神の霊にみちた人を、ほかにみつけることはできまい。この大役には、この人こそ、いちばんふさわしい」と、だれもが考えました。
−王、ヨセフにむくいる−
それから王は、ヨセフに言いました。
「あなたのようにかしこく、考えぶかいかたは、ほかにはいません。どうかこのくにを治めてください。わたしのけらいも、みんなあなたのことばにしたがうでしょう。わたしは、王の位でだけ、あなたより上です。わたしは、あなたにエジプトじゅうを支配する権利をさずけましょう。」
王は、自分の手から指輪をはずして、ヨセフの手にはめました。そして、すばらしい亜麻布の服をきせ、首に金のくさりをかけ、王さま用の車にのせました。人びとはみんなヨセフの前にひざまずきました。
このようにして、ヨセフはエジプトじゅうでいちばん高い位にのぼり、王が「わたしは、あなたがいなくては、手足一本でもうごかすわけにはいきません」というほどになりました。
こうして王は、ヨセフにザフナテ・パネアというエジプト名をあたえ、オンの祭司ポテペラの娘アセナテを妻としてあたえました。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿
「コメント」はブログの読者すべてに公開されます。公開に先立ち、管理者に届く設定ですので、プライバシーなどが含まれないか確認できますが、お名前やメールアドレス、私的なやりとりなど、個人情報に留意してください。イニシャルや匿名でも可能です。よろしくお願いします。