2014-01-22

富の偏在は罪

【富裕85人で下層35憶人分】

〈NGO調査 世界人口半分の資産〉

【ロンドン=共同】国際非政府組織(NGO)オックスファムは二十日、世界で貧富の差が拡大し、最富裕層八十五人の資産総額が下層の三十五億人分(世界人口の半分)に相当するほど悪化したとの報告書を発表、二十二日からの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)を前に、累進課税などの対策に取り組むよう政財界の指導者らに呼び掛けた。

 報告書は、人口の1%を占める最富裕層が世界の富の半分を握っていると分析。データを得た二十六カ国のうち日本を含む二十四カ国で、全国民の収入に占める上位1%の最富裕層の割合が約三十年前に比べて増加したと指摘した。

 リーマン・ショックに見舞われた米国では、下層の90%は経済的に苦しくなったが、上位1%の最富裕層は危機後の二〇〇九〜一二年の成長による利益の95%をかき集めたという。

 オックスファムは格差を是正するため、累進課税のほか、租税回避の中止や、従業員の生活賃金の確保、持続可能で公平な成長に向けた市場の規制強化などを訴えた。

(東京新聞 1月21日 夕刊より)

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