独立伝道に立ち上がった日に神に立てた誓願です。
ごく自然に誓願を立てました。
ある家庭で深刻な事件が突発しました。
深夜、助けを求める悲鳴、絶叫が、
父親が娘の母親に刃物を突き付けている。
母が殺される!
直ぐ!今すぐに来て下さい!
電話を切ると深夜、田舎道を必死に車を運転しました!
暫く走ると、
真冬の凍り付く寒さの中、素足のまま、
ガタガタ震えて、私の到着を必死に待っていたのです。
私の姿を見た途端、失神しました。
彼女を抱き抱えて玄関に入って、目に飛び込んきたのは異様な光景で
刃物を妻に突き付けた男の顔も顔面蒼白です。
座敷の床の間を背にしている男を、近くに住んでいる自治会長が必死に説得していましたが、
彼は私の顔を見るなり、こう言いました!
「一番会いたくない男を呼びやがったのはどいつだ?」
その時、気を取り戻した娘が叫んだのです!
「お父さん、わたしよ!
私は男に向かって単刀直入に聞きました!
「本気か?」
意表を突かれた男は答えました。
「本気だぞ!」
「では何故刺さないのだ? 茶番劇なら止めなさい!」
引っ込みがつかない男は、この言葉を聞くと、黙り込んでしまいました。
男の手がかすかに震えています。
言葉にならない緊張感が暫く続きました。
「警察に言わないか?」
男はまだ興奮状態でしたが、私に聞きました。
「刃物をおとなしく渡せば、この場限りにしよう!」
私は家族と、自治会長に同意を求めました。
その言葉を聞くと、男はほっとした表情を浮かべて、すんなりと刃物を私に差し出しました。
「この刃物は預かる!」
彼の手から刃物を取り上げた時、男が突然質問しました。
「あんたには恐怖心が無いのか?」
私は男の目を見据えて答えました。
「今、ほっとしたら怖くなったよ!」
この一言でその場の恐怖、緊張がほぐれました。
訳を聞くと他愛のない、ちょっとした言葉のやり取りが、
とにかく、大事に至らず「もう二度と騒ぎは起こしません」と、皆に頭を下げました。
無事に一件落着しましたが、つくづく複雑な人間の感情、
誰も望まない不幸が、人の心の奥底から突如吹き出してくる。
人間の心には、神も住めば、魔物も住み着く!
複雑な気持ちを抱えながら田舎道を引き返したことでした。
神との道行きでなければ、私には解決不可能な事態でした。
今、振り返って見ると、人間は生きる困難さを、
生き抜いてこそ人生の喜怒哀楽も体験出来ます!
かの男も、今は懐かしい人生の友でした。彼の幸せを祈ります!
人間は、淋しがり、一人では、生きていけない。相手の気持ちを、理解するには、愛がなければだめですね
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