2009-07-06

天路歴程(9)

昨日の事ですが、私の今後の闘病生活にとても大事なヒントを与えてくれた、お方の訪問をうけました!

わたしたちの信仰生活の拠点でもあり、また実生活の大切な場所でもある、中井の土地を売って下った、地主のルイさんでした。

今年92歳になりますが、山坂の道を腰をかかめながらも、ゆっくり歩く健脚の持ち主です。

私の顔を見て「あんれ!久しぶりだなぁー!」と、ニコニコしながら声をかけてくれました。

自分をしっかり生きて来たルイさんです。

働き者の彼女から私は無言の教えを沢山頂きました!

無論、本人はその事に全く気付いてはいませんが…

3年くらい経ちますか?大事な一人息子さんに先立たれ。深い悲しみの日々を過ごされていました。

わたしたちも大層、胸を痛めたことでした。

ルイさんは、無類の野球好き、ルイさんの大切な生き甲斐かもしれないと思う程です。

それも長島茂雄の大フアンです。

彼の病状が気になったり、先立たれた夫人を懐かしんだりで、何か自分の若い日と重ね合わせている様子でした。

わたしたちの教会の近くに、東名高速道路中井サービスエリアがありますが、そこで働いていた時、たまたま、サービスエリアに立ち寄った俳優の杉良太郎に、お菓子をご馳走になり、親しく話を交わした様子などを生き生きと、まるで昨日のように、ルイさんは話してくれました。

これらの思い出は、彼女の心の大切宝物なんですね。

田舎の山道は危険がいっぱあります。ルイさんの護身術は、腰に差した草刈り鎌です。


最近まで腰に差していましたが、昨日は素手でした。

気丈な、ルイさんは自分の不幸に負けないのです。

明治、大正時代を、自然体で生き抜いて来た人々は芯がしっかりしていますね。

また、おかしな現代病に侵されてはいません。

よく働き自分の畑で作物を育て、収穫して食べる。

足腰を鍛え上げた彼女をの生きざまを、私は密かに敬しているのです。

退院後、梅雨にかかり、体調がいまひとつすぐれませんが、昨日、聖日礼拝のあとに訪れた、ルイさんは、曲がった腰をしっかり、両足で、大地を踏みしめ、教会から近くにある我が家に向かってゆっくり、後も振り向かずに姿を消してゆきました。

ただ、それだけの話ですが、静かに見送った私には感動的なひとときでした。

さりげない日々の、さりげない心のふれあいが神様から頂いた恵みでした。

ルイさんも天路歴程の旅人だと思わされました!

1 件のコメント:

  1. 先生ご無沙汰しています。
    92歳で他人に影響を与えている素晴らしいですね。私は恥ずかしい限りです。
    最近はやっと、余り振り返らず、こんな自分も少しは受け入れて生きて行こう思っています。
    特に自然がすごく愛おしく思えてきます。開発開発で自然が壊されて悲しいと思うようになって自分自身ビックリです。(自然は一度破壊したら戻すのは大変ですからね。)
    人間はそうすることで自分たちの生命を危機にさらしてるとわかったいないのでしょうね。
    先生の爪のあかにもなれない私ですが、少しは前に進まないといけませんね。
    また、近々お会いできる事を楽しみにしています。

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