シラ書18:1〜33
神の偉大さと慈しみ永遠に生きている方が、
万物をことごとく造られた。
ただ主おひとりが、正しい方である。
〔主のほかに正しい者はだれ一人いない。
主は、その手のひらの中で世界を動かし、
すべてのものは、その御旨に従う。
主こそ、力をもってすべてを治める王であり、
清いものと汚れたものを分けられる。〕
御自分の業を告げ知らせる力を、
主はだれにも与えられなかった。だれが、その大いなる業を究め尽くしえようか。
その偉大な力を、だれがはかりえようか。
だれが、その慈しみを、語りえようか。
だれも、それらを減らしたり
増やしたりはできない。
だれも、主の不思議な業を
究め尽くすことはできない。
人が究め尽くしたと思ったときは、
まだ始まったばかりであり、
途中でやめてしまうと、徒労に終わる。
人間とは何者か。その存在の意義は何か。
その行う善、その行う悪とは何か。
人の寿命は、長くて百年。
〔しかし、永遠の眠りは計り難いほど長い。〕
大海の中の一滴、砂の中の一粒のように、
永遠という時に比べれば、
この寿命はわずかなものにすぎない。
このゆえに、主は、人々に対して忍耐し、
憐れみを彼らに注がれる。
主は、人間の惨めな末路を見、知っておられる。
それゆえ、豊かに贖いを与えてくださる。
人間の慈しみは、隣人にしか及ばないが、
主の慈しみは、すべての人に及ぶ。
主は、彼らをいさめ、鍛え、教えて、
羊飼いのように、羊の群れを連れ戻される。
主は、教訓を受け入れる者に、
また、主の裁きを熱心に待ち望む者に、
慈しみを施される。
施しをするときは
子よ、援助をするときには、相手を傷つけるな。
施すときにも、相手をおとしめる言葉を吐くな。
朝露は、熱風の季節に安らぎを与えてくれる。
言葉の露は施しよりも、効き目がある。
親切な言葉は、高価な贈り物にまさるではないか。
情け深い人は、両方とも備えている。
愚か者は、思いやりがなく、小言ばかり言う。
また、恩着せがましい人間の施しには、
だれも目を輝かさない。
事前に準備せよ
口を開く前に、よく考えよ。
病気になる前に、養生せよ。
裁きが来る前に、自らを省みよ。
そうすれば、主が訪れる時、お前は贖いを得る。
病気になる前に、自らへりくだれ。
罪を犯したときは、改心の態度を示せ。
誓願は、必ず、期限内に果たせ。
それを果たすことを、死ぬときまで延ばすな。
誓願を立てる前に、よく準備せよ。
主を試す者になってはいけない。
お前が死ぬ日に下る主の激しい怒りを思え。
また報復のときを心に留めよ。
そのとき主は御顔を背けられる。
豊かなときには、飢饉のときを思い、
富んでいるときには、貧乏なときを思え。
早朝から夕方へと、時は移り、
すべては、主の御前で、速やかに過ぎ去る。
知恵ある人は、すべてに用心深く、
罪がはびこっているときには、
過ちを犯さないよう気をつける。
聡明な人は皆、知恵を知っており、
知恵を見いだした人に敬意を払う。
言葉に巧みな人々もまた、知恵を示し、
的確な格言をあふれるように注ぎ出す。
〔唯一の主に信頼することは、
死んだ心と死者に執着することにまさる。〕
自制せよ
欲望に引きずられるな。
情欲を抑えよ。
欲望に身を任せて、好き勝手なことをすれば、
お前は、敵の物笑いの種になる。
享楽にふけるな。
宴会の費用がかさんで、身を滅ぼしてしまう。
借金してまで宴会を開いて、無一文となるな、
お前の財布が空だというのに。
〔お前は、自分で自分を罠に掛けるようなものだ。〕
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