2009-11-04

「夢は神の警告」から(2)


人生のほとんどを刑務所で過ごした弟子がいます。

今も無事に生きているなら80歳代。

彼の犯した罪は、おもに窃盗、住居不法侵入でした。

心臓の持病がありました。

何時も、心臓の薬を持ち歩いていました。

出会いは、友人からのSOSでした。

ある刑務所を、出所した時が前科15犯でしたから、今生きているなら、多分かなりの犯罪歴の持ち主になっていると思います?

行き場のない彼を、私の隣部屋に寝泊まりさせ、一緒に暮らしました。

しばらく経ち、小さな本屋さんに就職先が決まりました。

アパート住にまいをする身になりました。

無論費用は生活費を含めて、アパート入居資金、すべて私が工面しました。

貧乏牧師の精一杯の気持ちでした。

彼は人を信じる心を持ちはじめてくれました。

希望がわきました。

神の御心は、彼の魂の救いに向けられていましたから。

彼に話しました。

「老いて後、このままでは寂しいから、今なら間に合う。普通の生活をはじめないか?」と。

それから3ヶ月くらい?経ったある日、忽然と姿を消してしまいました。

部屋には食べかけのカレーライスが残されていました。

何の音沙汰もなく、思案して町田警察署に失踪人捜索依頼をしましたが、牧師の立場でも、身内でないかぎり応じられない、受理不可能と言われました。

探す方法もなく、ひたすら待っていました。

そんなある日、埼玉県警から電話が来ました。

刑事さんからでした。

私が渡した教会員の身分証明書を彼が大事に持っていたのです。

唯一彼の身元保証書でした。

それから、長崎、新潟、神戸、大阪、京都の警察署から問い合わせがあり、刑務所を転々として、ついに、彼は、私の前に姿を見せることはありませんでした。

彼には住み慣れた刑務所が、安心できる、我が家同然だったのでしょう。

私の手元に彼が家族とか?話していた写真を、私が数枚預かっていました。

彼の依頼で刑務所に送りました。

その他数え切れないほど、いろいろなことがありましたが、私の力には限界があり、最後まで手を差し伸べることは出来ませんでした。

心残りです。

彼が私に残した言葉があります。

「お世話になったオショチを裏切ることはありません。恩返しをします」と?

滑稽な、しかし真面目な話ですが、彼は勝手知った私の部屋には、絶対入り込まないとの、律儀な?メッセージ、なんだと、後で気付きました。

犯罪事件を見るたびに妙に懐かしく想いだされる今日、この頃です。

犯罪事件が少しでも減ることを祈る日々です。

これからも祈りのバリヤーを張ります。

また、刑務所で人生を閉じるかもしれない、弟子のためにも祈ります†

罪を犯す人が減少することを!

アーメン†

オショチ

2 件のコメント:

  1. 毎日のように、犯罪事件が、たちません。悲しいことです。幼い頃の親の愛情環境が、歪んだ心を生む様な気がしてなりません。みんなが、笑顔でいることは、難しいのでしょうか。現実は、大変厳しいのでしょう。人のせいにしているうちは、幸せは、遠いのかもしれません。今を感謝ヾ(^▽^)

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  2. 本当にありがとうございます。
    オショチのお弟子さんのお話、深く考えさせられます。今頃どうなさっているのでしょうか。淋しい人なのでしょう。淋しさを感じる暇がないような刑務所の方が良かったのでしょうか。

    良く考えて生きて行かなくてはとつくづく思います。一度の人生、出来ることはベストを尽くして悔いの無いように。

    ブログ拝見させて頂くの楽しみにしております。
    寒くなってきまして、お身体にはきついかと思いますが、どうかお大事になさってください。後に続く皆さんのお手本ですから、よろしくお願いいたします。

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